先日アメリカの原子力潜水艦コロラドが操縦桿にXboxのコントローラーを導入するという記事が配信され話題になった。

原子力潜水艦と言えば我々のイメージは映画クリムゾンタイドやK19のような密室の中で緊迫の使命をおびており,兵器の中でも秘密事項がたくさんあるシリアス度が高いイメージだ。そんな原子力潜水艦の操縦をゲームコントローラーでやっていていいのかというギャップは大きい。しかし,すでに米軍は多数の無人攻撃機を導入しており,この操縦は戦場から遠く離れた米国内の安全な基地からまさにゲームコントローラーのようなもので操縦され,戦争がまるでゲームのようだと言われて久しい。今回の導入理由も若い兵士はゲームコントローラーの方が早く操縦に慣れることとコストメリットがあるというところが理由のようだ。

これまで「軍事用」と「民生用」の間には大きな隔たりがあった。民生用をはるかに凌ぐ耐久性と最高峰のプロ仕様という「軍事用」の言葉の響きも我々世代には独特のものがある。今でも宇宙飛行士や戦闘機パイロットが使ったとして大々的に宣伝されている時計などもある。確かにアナログ技術の時代にはそういう要素も多かっただろう。しかしデジタル技術全盛になると,アナログ時代に職人の技であったような複雑で繊細な摺り合わせ技術のようなものが無くなり,基本はパーツの耐久性だけの問題になる。そして世界中の人に使われているゲームやスマホの耐久性の高さは使っている我々自身がよく理解している(iPhoneのガラスだけはいい加減どうにかして欲しいが)。しかも軍事用と比較すると圧倒的に低コストだ。さらに壊れたらすぐ取り替えればいい。

こうした話は軍事の世界に限ったわけではない。これまでB2Bの世界の専用端末などでも同様のことは起きている。汎用機の時代はコンピュータを個人が使うことはなかったが,パソコンとインターネットの普及で,ブラウザの上で動いてくれることが一番便利になり,今ではたくさんの業務ソフトはブラウザ上で動いている。業務システムもWebテクノロジーで組み立てることが一番効率的で低コストになった。UI/UXもかつては調査と研究に莫大なお金をつぎ込める軍事やビジネス用途の方が進んでいたのだろうが,世界中で1000人しか使わないシステムよりも今や全世界何億人が毎日使っているシステムの方が膨大な利用状況のビッグデータを解析した上で改良できるし,コストも膨大にかけることが可能だ。セキュリティの問題だけは今でも気になるところではあるが,その部分を除けば今から専用システムを開発するにしても専用スマホ端末やOS,アプリを作るよりはiPhone上でアプリを作った方がはるかに使いやすいシステムを作ることができるだろう。さらにいえばかつては専用システムなんだから,担当者はそのマニュアルを読み込んで使えるようになることが仕事みたいなところもあった。しかし,本当に生産性を高めるためには担当する従業員の教育コストだけでなく,使いやすく,ミスを減らす,さらにはモチベーションを持って使いたくなるシステムで無ければいけない。B2B分野のUI/UXはまだまだ後回しで古い生産性のとても低いシステムを使っているケース(例えばいまだに古いバージョンのインターネットエクスプローラーのActiveXで動くシステムなど)は驚くほど多い。現在世の中では「働き方改革」と騒がれているが,それこそ業務効率が悪い理由が業務システムのUI/UXのひどさに起因することも多数存在するだろう。「カスタマージャーニー」を作ることも大事だが,「エンプロイージャーニーマップ」もとても重要であり今のテクノロジーで考えると劇的なコスト削減につながる金脈が見えてくるのかも知れない。

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